EM珪藻土の特長|産地
産地による性能の違い
一口に珪藻土といっても、産地により、その性能は異なります。日本の珪藻土の主な産地は、秋田・石川・岡山・大分などがありますが、これらは珪藻の遺骸が海中に堆積した、粘土岩や泥岩等の比較的柔らかい岩石として産出します。
石川県の能登半島では、珪藻土で七輪を作る際はその柔らかいという特長を活かし、切り出した珪藻土をまるで彫刻のように削りだして七輪のかたちに整形します。
しかし、柔らかいということは、その分密度が低いということでもあります。
一方、『EM珪藻土』に使用している珪藻土は、稚内層珪藻頁岩と呼ばれるもので、北海道の天北地方で産出する硬質頁岩です。
これは他の産地の珪藻土とは違い、一度堆積した後に地殻変動により破砕し、高温・高圧力下で変成して再び堆積したものです。
そのため密度が高く、その他産地と比べ、珪藻土の主原料であるSiO2(二酸化ケイ素)を多く含んでおり、不純物の割合が少ない為、未焼成のまま使用する事ができ、珪藻土本来の機能を発揮する事が出来ます。
また、密度だけでなく、ミクロの構造においても通常の珪藻土とは大きく異なります。
一般的な珪藻土は、リング状の珪藻遺骸が見られ、珪藻の生物としての形状をほぼそのまま留めています。
それに対して、稚内層珪藻頁岩はリング状の部分は認められますが、珪藻が変質したと思われるマリモ状の微粒子が確認され、地質変化を受けていることがわかります。
この様に珪藻土が熱的変成を受け、硬質岩石化しているため、微細な細孔(表面にある穴)がより多く存在し、酸や熱に強い特長を持っています。
稚内層珪藻頁岩は、比表面積が100m2/gと、その他の珪藻土の約4倍であり、細孔容積では約5倍の差があります。細孔がより小さく、たくさん存在するため、吸放湿性において、一般的な珪藻土よりも圧倒的に優れています。
高い吸放湿性能の理由は「メソポア」
珪藻土が吸放湿性能を持つ理由は、無数の微細な細孔による毛細管現象のためですが、実はこの孔のひとつひとつの大きさにより、吸放湿性能に大きく差が出てきます。細孔はその大きさによって3つに大別されます。
50nm以上の大きさの孔は「マクロポア」と呼ばれます。
これは軽石やスポンジなどと同等の細孔径ですが、ご存知の通り吸水性はあっても、吸放湿性はありません。
2~50nm程度のものは「メソポア」と呼ばれ、吸湿にも放湿にも最適な細孔径とされています。
2nm以下のものは「ミクロポア」と呼ばれますが、これは孔が小さすぎるため、吸湿しやすくありますが放湿はしにくくなってしまいます。
※1nm(ナノメーター)=10億分の1メートル
「メソポア」には、相対湿度が70%を超えると水蒸気の吸着力が飛躍的に増加し、反対に70%を下回ると水蒸気を放出し始める作用があります。
これにより、人間が最も心地良いと感じる相対湿度40~60%を保つことができます。
稚内層珪藻頁岩が一般的な珪藻土と比較して高い吸放湿性能を持つ理由は、この「メソポア」と呼ばれる大きさの細孔がより多く存在するためです。
そして「メソポア」は、前述のように地球の地殻変動によって生み出された、まさに大自然からの贈り物なのです。
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