EM珪藻土 blog 「【徹底解説】珪藻土と発がん性の関係性について」

【徹底解説】珪藻土と発がん性の関係性について

  • 近年、バスマットやコースターなどの吸水効果を活かした珪藻土製品が増えてきておりますが、ユーザーが増えてくると、安全性に対する問合せも増加傾向になります。

     

    例えば、

    ・子供やペットがいるのですが、安全性はどうでしょうか?

    ・アスベストが含まれているって聞いたのですが、 などです。

     

    もともと、珪藻土に対するご質問の中で発がん性について聞かれることがありました。

    『珪藻土って発がん性があるって聞いたんですけど・・・?』という感じです。。

     

    まず、回答から申し上げるとNOです。

    珪藻土は、発がん性やその他の健康に与える影響は認められない安全なものです。

     

    そもそも珪藻土のメイン用途とは濾過助剤になります。

    溶液中に溶解している成分はそのまま通し、不溶物だけを捕捉する性質があるため食品加工(濾過)助剤として多くが利用されています。

     

    ・ビール・・・ビール酵母を除去する

    ・日本酒・・・滓(おり)や雑味を除去する

    ・醤油・・・変性たんぱく質を除去する

     

    これだけ身近な物に珪藻土が利用されているという事からも、発がん性があるという事実が存在すれば既に大騒ぎになっている事でしょう。

     

    珪藻土製品は、工業製品や内装材など様々出てきております。

    特に珪藻土バスマットなどは、メーカーの自主回収などマイナスイメージも出てきております。

    この記事を通して、珪藻土と発がん性の関係性を紐解いていきたいと思います。

     

    以下、小難しい話も混じりますが、弊社見解も交えた解説文となりますので、是非ご一読いただき珪藻土選定の一助になれば幸いでございます。

     

     

    1、発がん性物質について

     

    セメント等に混合し、壁や天井などに施工されている石綿(アスベスト)は、これを長期に吸入すればじん肺を引き起こし、且つ悪性腫瘍(がん)を発生させることが知られています。

    化学物質の発がん性については、国内外のさまざまな専門機関で評価されていますが、その中の代表的機関の一つであるWHO(世界保健機構)の下部機関であるIARC(国際がん研究機関)の評価では次のように分類されています。

     

    グループ1

    ヒトに対して発がん性を示す (※1)

    グループ2A

    ヒトに対して恐らく発がん性を示す

    グループ2B

    ヒトに対して発がん性が示す可能性がある

    グループ3

    ヒトに対する発がん性について分類できない

    グループ4

    ヒトに対しておそらく発がん性を示さない

     

    (※1)グループ1に分類されているもの

    アルコール飲料、タバコの煙、太陽光、塩味の魚(中国風)、アスベスト、ベンゼン、

    砒素、道路舗装等に使用するコールタール、木の埃、クロム混合物(木材防腐剤、塗料、印刷インク、絵の具、耐火煉瓦、金属製品のメッキ、注:グループ評価)
    B型肝炎ウイルス、マスタード、合成口径避妊薬、ラドンなど

     

     

    2、珪藻土とシリカ

     

    珪藻土と発がん性との関係が疑われる要因としては、珪藻土が含んでいる「シリカ」という成分の存在があります。

    シリカには、大きく2つに分類されます。

     

    IARCでは、それぞれ次のように評価しています。

    結晶性シリカ: ⇒ グループ1に分類(人に対して発ガン性を示す作用物質)

    非結晶シリカ: ⇒ グループ3に分類(人に対する発ガン性について分類できない作用物質)

     

    シリカとは二酸化珪素(SiO2)のことですが、シリカは、結晶性シリカないしは非結晶性シリカとして、自然界に最も多く存在する(地殻の平均組成の約55%)鉱物であり、ごく普通に存在するものです。

    天然の結晶性シリカはその大部分が石英で構成され、硅砂や砂、花崗岩(真砂土)、頁岩、水晶などの鉱物に含まれています。また海岸の砂浜や公園の砂場、ゴルフ場のバンカーなど身近なところにも存在し、通常大気中にも塵として微量ながら漂っています。

    珪藻土は植物性プランクトンである珪藻が化石化したものであり、化石化することでケイ酸質の殻だけが残るため、天然の状態では、非結晶シリカが主成分(90%以上)となっています。

     

     

    3、珪藻土の発がん性評価

     

    IARCは、珪藻土自体は非結晶シリカの中の一つとして、グループ3に分類しています。

    珪藻土製品を大別すると、未焼成品、焼成品、融剤焼成品があり、このうち焼成品及び融剤焼成品は高温で熱し製造しています。

    珪藻土を高温で熱すると、「非結晶シリカ」の一部が結晶化しで針のように鋭く尖った形状(クリストバライト)に変化する針状結晶化現象がおこります。

    この結晶性クリストバライトは、IARCの評価では発がん性物質(グループ1)とみなされています。

     

     

    4、総評

     

    一般的な珪藻土製品は、製品化の工程で焼成処理をすることでシリカが針状結晶化し、発がん性物質との評価を受けているクリストバライトが生成されることから、その健康リスクが問題視されています。

    ただしこれは、職業的に長期間高濃度の粉塵を吸入する場合に限定されています。
    このような環境ではじん肺にかかりやすくなり、肺がんを併発する可能性が高まるという意味になります。

    結晶性シリカが健康へ与える影響については、珪藻土メーカーや砕石業等の原料加工業者の作業環境下での範囲内であるとの認識です。

    したがって、焼成処理した珪藻土でも住宅の壁材としての用途であれば、実質的な健康被害はないとの認識が一般的です。

     

    しかし、「EM珪藻土」においては、より安全を追求して製品化しておりますので、少しでもリスクがある限りはそれを排除するとの考えに基づき、一切の焼成加工の処理はしておりません。

    EM珪藻土は、完全未焼成のため、発がん性との関係は認められない安全なものとなっています。

    併せて、珪藻土を固める為のバインダー(固化材)にアスベストを含まず、成分全公開で安全性に最大限配慮しております。

     

     

    いかがでしたでしょうか。

    珪藻土を壁や天井などの内装材としての用途であれば、実質的な健康被害はないと考えてよいでしょう。

    もしそれでも不安を感じられる方は、安心安全の自然素材100%で完全未焼成の『EM珪藻土』をご採用下さい。

     

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    外渉課 荒木

     

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