珪藻土はカビるのか!? を真面目に考える
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投稿日:2016年09月05日 投稿者:建材事業部
カテゴリー:雑記
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近頃、珪藻土バスマットや珪藻土コースターなどといった商品を目にします。
これは珪藻土の吸水力の高さを活かしたアイディア商品になりますが、注目を浴びるにつれて様々なメーカーから類似品が発売されているようです。
塗り壁材の珪藻土も同様ですが、類似品が増えてくるとメーカにより性能にバラつきが出て『ピンからキリまでの様々な商品』が出回る事になります。
珪藻土メーカーとしては注目されることは喜ばしい事ですが、適切な使用方法や維持管理をしない事によるデメリットが囁かれるのは本意ではないので今日はその原因について考えてみたいと思います。
軽く検索してみただけでも購入者の方々からの様々な声が上がっていました。
- 割れてしまう
- カビてしまう
- 吸水力が落ちてしまう
- 粉が出てしまう
『割れてしまう』原因は、強度というより取扱い方法による問題も大きいかと思いますので、今回は触れませんが、『カビてしまう』原因は思い当たる節があります。
珪藻土は調湿能力が長けているので、カビは生えずらいのは確かですが、絶対にカビない訳ではありません。どんな物でもカビの発育条件が整えばカビます。
『カビの発育条件』
- 空気(酸素)
- 温度・・・5°~45°で繁殖する。
- 養分・・・チリやホコリも栄養源となる。
- 湿度
人間の生活環境においては①~③を無くす事は出来ませんので、④の湿度をどうにか出来ればカビのリスクを抑える事が出来ます。
私が考えるにバスマットやコースターでカビる原因は敷きっぱなしや置きっぱなしではないかと思うのです。
お風呂上りの足の水分やコップの結露など水分を無くす事は不可能ですので、いかに吸水した水分を溜め込んだ状態にしないで放出できるかがポイントだと思います。
要は風通しの良い場所に立て掛けたり、換気扇を回したり、天日で干すなどの作業が必要になるという事です。こちらの作業はとても効果的でしょうし③の吸水力が落ちてしまう事の解消にも役立ちます。
また、他に考えられる点として、
- 多量の水分により製品自体が高湿度となりPhも中性となりカビが繁殖しやすい。
- 固化材が石膏や粘土など、phが中性となりカビが繁殖しやすい。
- 強度を高めるために紙繊維などを混ぜたりするが、放湿力が低いとカビが繁殖しやすい。
- 吸水力に注目しすぎて、放出能力の低い産地の珪藻土が原料ですぐに飽和してしまう。
- カビの栄養源となるチリ、ホコリ、汚れなどをそのままにしておく。
などが考えられます。
しかし、現在は2,000円以下などの安価な物も出回っており、上記を含めノーメンテナンスの製品を製造することは不可能でしょう。
難しいですが、購入者の方々が珪藻土の性質を少しでも理解し、価格だけでない製品選定と適切な使用方法・維持管理をしていく事が一番の近道であると思います。
是非、身近になりつつある珪藻土製品を今後も様々な場面でご採用頂けたら幸いです。
参考までにカビに強い珪藻土の説明を下記リンクよりご覧ください。
外渉課 荒木恵
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